
毎日身に付けるネクタイだからこそ、考えてみたい。良いネクタイって
どんなものだろう…?デザインがおしゃれなこと?手触りが良いこと?
このページでは、プロの目から見た、本当に良いネクタイの条件をご紹介します。
天然素材(シルクやウール)を高密度で使用したネクタイは、上品な光沢と柔らかさを持っています。また、繊細な色合いが表現できることも天然素材の特長。
一方、合成繊維で作られたネクタイは、見た目が均一的で、結び目がほどけやすいという欠点があります。
また、生地が薄いことをカバーするため、糊をつけて厚みを増しているものがありますが、このようなネクタイは、締めたときに細かいシワが発生してしまいます。
たるみ糸とは、ネクタイの大剣(または小剣)の裏側についているループ状の糸のこと。ネクタイの裏側を縫い合わせている糸の余り部分にあたり、高級な手縫い(ハンドメイド)ネクタイの証ともいえます。
縫い糸の先端に余裕をもたせることで、ネクタイを結ぶ際にスルスルと動き、縫い糸と生地の破損を防ぐ役割があるのです。
※注意:この糸をカットしてしまうと、ネクタイがバラバラになってしまいます。
ネクタイは、生地の縦方向に対して45度の角度で裁断をします。
この方法で裁断すると、ネクタイを結んだ時に力が均一に働き、締めたネクタイがまっすぐ下がります。
また、正バイアスで裁断することにより、結び目がゆるみにくく解けやすく、しわが伸びやすくなります。
ネクタイを締めたときに、生地がよじれないことも、良いネクタイの大切な条件です。
手縫いで仕上げたネクタイは、適度な膨らみがあり、上質感が漂います。
それは、生地の風合いに合わせて、中に入れる芯を相性の良いものを選んでいるからです。
一方、機械で作るネクタイは、直線で縫い上げるため、均一的でペタっとした印象となります。
良いネクタイの特長が一番良く現れるのが、着用したときの見栄えです。
安価なネクタイでは着用時の立体感がなく、襟元が平面的になってしまいます。
美しい見栄えを演出するのは、良質な素材と、手縫いでしか完成し得ないふっくら感なのです。